もめのめも書き

日常のエッセイ、仕事の記録など。

〔エッセイ〕名前の変え方。

名前の変え方はいくつかある。結婚する、離婚する、勝手に変える。台湾の友人曰く、台湾では「結構気軽に」名前を変えれるという。台湾では占いで運勢を見ることが一般的で、その結果によって氏名の変更手続きを何度かする人が普通にいると言っていた。そもそも、中国語の名前以外に英語の名前を持っているのも普通で、その名前は「授業で先生がつける」というカジュアルさ。昔、友人が、自分の名前は画数が悪いから変えたいんだと言っていて、実際に変えていたことを思い出した。もっと容易く変えられる道があってもいいなと今になると思う。

 

私は多分、約3回名前を変えた。一度目は結婚して姓を。二度目は、勝手に変えたパターン。下の名前を中学生以来のニックネーム(もめ)で名乗ることにし、名刺にも刷った。3度目は離婚後。3度目について補足すると、離婚届を出す時に私は婚姻時の姓を継続して使用する手続きをした。手続きと言っても、紙ぺら1枚、役所でもらえる書類を離婚届と同時に出すだけ。実際は、一旦、旧姓に戻った上で、婚姻時の名前に変更することになると聞いた。離婚届は出したものの、その後の仕事、養育、住居、諸々何も決まっておらず、直後は形的には何の変化もなかったので、名前の変化も求めなかった。むしろ少なからず、「女性だけ何かと名前が変わり損」という考えもあった。時間が流れ、離婚届を出した以外にも、仕事など環境に変化が見えてくると、自分の名前の嘘っぱち具合に違和感たっぷりになってきた。姓は婚姻時のもの、名前はあだ名である。「嘘の塊やん!」と、自分でツッコミをいれ、旧姓に戻す方法を具体的に調べた。家庭裁判所に行かなくてはならず「むちゃくちゃめんどくさい」と噂で聞いていたのだが、管轄の家庭裁判所に電話をすると、端的かつ明確に教えてくれた。

 

生まれてから戸籍のあった場所すべての戸籍を取り寄せ、家庭裁判所のwebサイトでダウンロードできる2枚ほどの書類に記入して、窓口にて提出。だいたいその日のうちにすぐに審判に入り、その場で結果を知らせてくれる。審判と言っても、感覚的には、30分ほどロビーとかで待っていたら呼ばれる、というカジュアルなもの。私の場合、思ったより時間がかかったので、窓口のお姉さんも「時間がかかって心配したけど良かった」みたいなニュアンスで私に書類を渡してくれた。その日すぐに名前を変えられるかと思ったけど、2週間ほど猶予期間があり、自宅に確定の通知書が届いて、ようやく住民票のある役所で手続きをして戸籍上の名前を変えるに至る。多少面倒くさくはあるが、そんなにハードルは高くないことがわかった。戸籍は、現地に行かなくても郵送で取り寄せが可能である。ただ、私は郵便物の受け取りに迷走した。その頃、山村、離島、実家のある都市とを郵便物の転送に転送をかけていたので、山村で受け取りたいのに、一旦離島に渡り、離島には配送センターがないので、隣の少し大きな島に渡り、さらに実家の都市に届いていたりした。そもそも離婚時にスパッと旧姓にしておけば良かったのかもしれないが、回り道しても、もう一度たどり着くことができる。もしも、「家庭裁判所」というフレーズで、「めんどくさ!」と心のハードルで諦めている同じ状況の人がいたら、えいやと頑張ってみる価値はある。書類上のこととは言え、思っている以上にスッキリして、前に進めるよ。

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