もめのめも書き

日常のエッセイ、仕事の記録など。

運命の台湾。

台湾人の友達がいる。彼女との出会いは、ちょっとだけドラマチック。 数年前、私は岡山の田舎のゲストハウスにて住み込みで働いていた。 産まれたばかりみたいな幼子を育てながらで、 心身共に詰まり切って負のオーラを纏う私をどこかに放牧し、 成長して欲…

ほぼ女。

娘がいるのだが、5歳にして色気がある。 喜怒哀楽の表現方法、甘え方、ファッションへのこだわり…どれをとっても、ほぼ女。おそらく生まれ持っているもので、いつ萌芽するかということなのだろう。同じ時期の自分を思い出す限り、その要素は眠っていた。七…

2019年に寄せて。

走っているうちに、たぶんいろいろ落ちてった。 どこにいるとか、肩書きとか、誰といるとか、そういうの。外側。 に、よって自分が何者かを感じて、その自分になっていく、そういう過程。 を、抜けるために、1年間を使いました。 1年のうちに、住処も仕事も…

懐かしいとんかつ屋。

ある日、不足していた急ぎの品を買いに、google mapを頼りにあまり行かない道を歩いてた。 朝からまともに食事をしていなかったので、ついでに夕食を済ませられる店を道すがら眼力にてサーチ。 目に入ったのは、懐かしいとんかつ屋。高校時代、女子バレーボ…

祖母の寸景。

世界中、旅をした祖母。旅の記録は、スケッチブックに丁寧にまとめていた。スナップ写真、道端のスケッチ、レストランから持ち帰ったコースター。祖母の目を通すと、日常的な風景は、穏やかなスポットライトが当たり、生き生きと踊りだす。 90歳を迎えるまで…

調え方。

とても落ち込むようなことがあった友人に、その父上は「それはとんでもなく面白い本に出会うしかないね」というようなことを言ったと聞いた。よく分かる気がする。読書家でもなんでもなかったけれど、吸い込まれるように多くの本を読んでいる。大変ご無沙汰…

生まれたときは安産だったのに、今はよく立ち止まる。

生まれたときは安産だったのに、今はよく立ち止まる。 間も無く、三十四歳を迎え入れる。 冒頭は、最果タヒの詩の一片。 そのつもりで周囲を見渡せば、丁度良い塩梅の言葉に出逢えるようになっている。 近頃は読書欲が旺盛。 食欲が旺盛な感覚は、遠ざけても…

〔読書〕家族シアター

その時なぜ購入したのか覚えてないから、しばらく放置していた本。 なんとなく気が向いて読んだ。 家族シアター (講談社文庫) 作者: 辻村深月 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/04/13 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る いくつかの家族…

〔日常〕男子の生態。

27歳の時に初めて産んだ子が、今年ランドセルを背負っている。田舎から里帰り出産をした都会が、彼の新住所。先の読めない人生だ。いや、人生とは読めるもんじゃないようだ。 彼は、家が田舎なり宿だった時もあり、多様な人間関係に揉まれながら成長してきた…

〔日常〕忘却のハーブ。

旅人の置き土産。勝手に元気に育っていたハーブ類。 気がつくと枯れていて、慌てて水をやった。 永遠に放置しても元気でいるような気がしていた。ごめんね。 BGMは、また急に仕事が入って愛する人を待たせたことを憂うkiroroの「長い間」。 最近目にした「幸…

〔仕事〕real local パンプシェード

記事書きました。 第2回:パン偏愛は、「パンプシェード」になりました。[連載] ただいま、神戸。 記事はこちら→ real local神戸 » 第2回:パン偏愛は、「パンプシェード」になりました。

〔エッセイ〕再会と失敗。

最近、再会が多い。再会を受け止められる年齢になったと思う。 失敗したからだと思う。 もう少しフィットする、まどろっこしい表現に直すと、「その時の自分が大正解だったわけではないことを受け止めようと思えるようになったから」。 「挑戦をやめなければ…

〔エッセイ〕5月のファッションチェック。

人通りの多い街なかで、驚いたことがある。 ペアルックの多さ。 同じTシャツが前から歩いてくる。 同じワンピースが前から歩いてくる。 同じタータンチェック!同じメイク! 同じ歩幅・・・!かどうかは分からないけどさ! 一昔前のイタいカップルが、世の中…

〔エッセイ〕愛着、粉もんシリーズ。

自宅でのひとりごはんの食べ方は、人生の歩き方とよく似ているな、と思う。 私は気に入ると、同じものを繰り返し食べ続けられるタイプ。 お店でつくっているときなんかは創作意欲が湧いて、新しいことにチャレンジしたくなるけど、満足させる相手が自分だけ…

〔エッセイ〕どっちのお豆かわかりません。

スナップエンドウのすじを取り除く作業を頼まれた。 茹でてマヨネーズつけてたべたら美味しい、あれ。わたしのお豆史の中でも、小学校だか中学だか、わりと遅咲きのあれ。「え?スマップエンドウ?」って、アイドルグループと間違えて覚えそうで(実際におば…

〔仕事〕音声の海を泳ぐ。

かれこれ1年ほどになるかしら。音声を聞いて、文字に起こす仕事を不定期でしている。インタビュー記事を書く際に、取材時にICレコーダーに録った会話を一度すべて文字に起こす作業をすると知ったのもこの頃。ライター自ら行う場合も多いでしょうが、外注する…

〔エッセイ〕ごはんがおいしい人。

その手から生まれるごはんは、素材が嬉しそうにしている。 料理というより、ごはんと呼びたい、日常の穏やかな喜び。 この人を普段の暮らしの中で感じたいと思い、少しだけ山の、まちへと行った。 雑誌に出てくるようなインテリアに囲まれた暮らしを想像して…

〔エッセイ〕続・傘を買いたい。

傘を買いたくて、傘を買ったのだけど、傘があっという間に壊れてしまったので、また傘を買いに来た。 www.mome.work 傘傘傘傘、うるさいですよね。よくみるとたくさん人が入っている。相合傘。愛愛傘でいい気がする。 派手な服ばかりの持ち主の相性と、毎日…

〔読書〕ふなふな船橋。

気持ちが沸き起こらなかったし、現実的に時間も場所もなかった。 新しい生活で前ヘと歩んで、他の世界を受けれ入られてきたことと、通勤の電車移動と、一人の時間と、本屋に行く時間が増えたことで、本を読む機会が以前より増えた。 船橋出身の人に、プレゼ…

〔エッセイ〕あの台所に帰りたい。

光の射し方、窓枠の木の古びた味わい、土鍋や調理器具を並べられる広々とした棚。平屋で縁側があり、どこの光も大好きだった。全てが完璧だった。時々、あの場所に残る方法を知らなかったことを、どんよりと後悔する。 この時期は筍を掘り、広々とした庭で、…

〔エッセイ〕名前の変え方。

名前の変え方はいくつかある。結婚する、離婚する、勝手に変える。台湾の友人曰く、台湾では「結構気軽に」名前を変えれるという。台湾では占いで運勢を見ることが一般的で、その結果によって氏名の変更手続きを何度かする人が普通にいると言っていた。そも…

〔エッセイ〕もぐらの穴埋めと、明日のこと。

棚田の田植え前は忙しい。水路を堰き止め、やっとのことで水を溜めたかと思うと、翌日すっかり抜けていて、どうやらもぐらの仕業だ、なんてことがある。そうなると、田んぼの中に入り、ひたすら足踏みをして穴を埋める作業。穴が埋まっているかなんて、もう…

〔エッセイ〕鉛筆書きの設計図。

見慣れた緑色のバスの窓の奥に、笑顔でぶんぶんと手を振る姿を見つけた。子どもと会う日だ。遠距離恋愛の恋人と会うとこんな感覚だろうか。直前は少しそわそわして、別れ際は離れがたくて堪らない。人目を憚らず平気で抱きしめたり出来るのは、相手が恋人で…

〔読書〕鮭の産卵のごとく。

なにを、だれと、どこで。 働く上で大切にしていること。あなたは、今、どの地点にいますか。 そんなことを問い掛けられて、たまたま隣に居合わせた人と軽く考えを話すという機会があった。私の答えは「なにを」だった。 問い掛けた側には、「なにを」から「…

〔読書〕南部鉄器でお茶、淹れる。

名字が四回変わった女の子が主人公の小説を読んだ。生みの親から順番に、その時々の理由から、結果的に血の繋がらない親をリレーされる話。 そして、バトンは渡された 作者: 瀬尾まいこ 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/02/22 メディア: 単行本(ソ…

〔エッセイ〕住み、慣れる。

物件探しの条件は、一軒家。都会での一人暮らしに、贅沢かもしれない。でもその時は、広い空間、自分の城を貪欲に欲していたのだ。知り合いに「合いそう」と勧められた地域で物件を探すと、あっという間に安価な家賃で見つかった。 「合いそう」の理由のひと…

〔エッセイ〕傘を買いたい。

傘が必要なことに気がついた。 田舎と街は勝手が違う。田舎は完全に車社会。対して、街はよく歩く。車移動ばかりの田舎で10年ほど生活した私は、久しぶりに街の生活に戻ってきた。天気予報を見ないで過ごし続け、どんよりとした空に雨を予感した時、私の手元…

〔はじめに〕自己紹介

文章を書くのは好きだ。しかしそれを生業としていくには、何をどう書いていけばいいのか。どんな切り口が共感を呼ぶのだろうか、これは本当に正しい文章だろうか。そんなことを考えていたら、好きだったはずの文章に自信がなくなり、しばらくの間(結構長い…

〔仕事〕まちのゲストハウス考 執筆

「ゲストハウスをつくった人」の立場で共著で参加した。 あわくら温泉元湯の立ち上げ、運営における困難さ、これからについて。 まちのゲストハウス考 作者: 真野洋介,片岡八重子,明石健治,豊田雅子,飯室織絵,加納亮介,蛇谷りえ,井筒もめ,森岡咲子,武田昌大,…

〔仕事〕real local 豊島の記事

住む場所も働く場所も、もっと自由に選ぼう」を合言葉に一緒につくっていく、まったく新しいタイプのローカルガイド、real localで記事を書かせていただいた。 私の書いた記事一覧は下記 reallocal » ライター別記事一覧 この時携わっていた豊島のゲストハウ…